■世界のサッカーや日本のサッカーの歴史を解説します。
サッカーの歴史
起源
サッカーというスポーツの起源には諸説があり、紀元前のギリシャや古代ローマの壁画にも、球状のものを蹴って遊んでいる様子が残っているそうです。また、古代エジプトや古代メソポタミア、古代ペルシャなどで、宗教儀式の一環としてやはり足を使った球技のようなものがあったと伝えられています。
我が日本では平安貴族の間で蹴鞠という革製の鞠を落すことなく蹴り上げて遊ぶ球技が行われており、これは現代でも伝統行事のひとつとして伝承されています。
最近FIFA(国際サッカー連盟)が、サッカーの起源は中国にあったとする旨の認定をしたとの報道がありましたが、これは中国の古い地層から石の球が見つかったことや、古代中国の黄帝時代に行われていたとされる、古代中国の蹴鞠がサッカーの発祥であるとの説からきたものです。
ただし、足で丸いものを蹴って遊ぶ行為は人間の本能に依拠した行為であることから、世界中のどの地域でも行われていた可能性もあり、どの説にもはっきりとした根拠は今のところないようです。
近代サッカーの誕生
1800年代初頭のイングランドの寄宿制の私立学校であるパブリックスクールにおいて、現代のスポーツとしてのサッカーが確立されたといわれています。ただし、その頃はまだ現在のサッカーとは違い、足で蹴る以外に手を使うことも出来、名称もまだフットボールとされていたとのこと。
このフットボールが、サッカーとラグビーに枝分かれしたのは、1800年代の中盤を過ぎた頃です。1863年にイングランドでフットボールアソシエーションが設立され、ルールとして手を使うことを禁止し、最初のサッカー試合が行われました。その後1800年代の後半になると、国際試合も行われるようになり、ヨーロッパ全土や南アメリカ地域にも普及していくことになります。
発展
1800年代の後半にイングランドで花開いたサッカーは、アマチュアによるリーグから、その主体をプロによるサッカーリーグへと移していきます。1900年代に入ると、ヨーロッパはもとより、南米地域にも強豪チームによるプロリーグが発足し、時代は一気にサッカー隆盛の時を迎えます。1904年には、ヨーロッパ7カ国による、国際サッカー連盟“FIFA”が設立され、スイスのチューリッヒに本部が置かれました。
その後南アフリカやアルゼンチン、アメリカなど続々と新たな国が加盟していくことになりますが、第一次世界大戦で一時的な停滞期を迎えたものの、1930年には初のFIFAワールドカップ大会がウルグアイで開催され、開催国であるウルグアイが初優勝を遂げることになります。以降、第二次世界大戦を挟み、FAFAの組織拡張とともに、世界各国でのサッカー人気は熱狂的な拡がりを見せ、2014年現在、FIFAの加盟国は、実に世界で209にも上っています。
日本のサッカー
我が日本を含むアジア地域でも、サッカーは急速に発展し、日本でも1921年に日本サッカー協会が設立されます。1954年には、アジアサッカー連盟が設立され、日本、韓国をはじめとして、13カ国が加盟しFIFAの承認を受けることになります。2006年にオーストラリアが転籍しアジア連盟に加盟したことで、サッカー連盟としては世界で最も広域をカバーする組織となりました。
アジアにおいては韓国などの他、中東諸国が力をつける一方、我が日本は、1968年のメキシコオリンピックで銅メダルを獲得するも、プロリーグを持たないこともあって、なかなか低迷期を脱することが出来ませんでしたが、1990年代に入ってようやくその力を見せ始めることとなります。
1993年のワールドカップ予選大会においての“ドーハの悲劇”を経て、同年には念願のプロサッカーリーグ“Jリーグ”が始まり、1998年には岡田武監督の下、ワールドカップフランス大会に見事初出場することになります。本戦大会では善戦虚しく3戦全敗となりましたが、日本でのサッカー人気は凄まじく、若年層を中心としてある種の社会現象ともなりました。
以降、2002年にアジア地域ではじめて行われた、日韓ワールドカップにおいては、ベスト16に入るなど大躍進を遂げ、強豪国の仲間入りを果たすこととなりました。現在では欧州の強豪クラブやチームでの日本人選手の華々しい活躍も話題となっていますが、代表チームとしてのさらなる飛躍が望まれるところです。
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