■野球で使用する各種の道具について、分かりやすく解説します。
野球の道具
野球は球技の中でゴルフの次に道具の多い競技です。
ボール
野球に使用するボールは、軟式用(ゴム製で内部の空洞に空気が入っている)・準硬式用(ゴム製だが内部はほぼ硬球と同じ)・Kボール(ゴム製で重さ大きさは硬球と同じ)、それに硬式用があります。
硬式野球では、ボールの直径は7.29cmから7.48cm以内、重さは141.7gから148.8gと公認野球規則で定められており、真ん中の核の部分にゴムやコルクを使い、それを糸で球状に巻いたものを牛革で包み縫い合わせて作られています。
飛ぶボールや飛ばないボールの議論が喧しい昨今ですが、現在の日本のプロ野球の公式球は、全球団ミズノ社製の統一球が用いられています。
※ちなみに、メジャーリーグのボールは日本の統一球より一回り大きく若干重いそうです。糸の縫い目も高く作られており、その影響でフォーシーム系のストレートボールより変化球により違いが出るとのこと。
バット
野球でボールを打つために用いられるのが、バットと呼ぶ長い棒状の道具です。草野球から少年野球、プロ野球に至るまで、バットも用途に応じて多種多様なものがありますが、野球の公式試合では公認野球規則に則り、6.6cm以下の直径で(最も太いところ)、長さは最長で106.7cmと規定されています。
また、材質については、高校野球では金属バットが認められていますが、社会人野球では金属バットはご法度となり、現在では木製バットのみが認められていいます。プロ野球では木製バットのみが使用されていますが、かつては多くの打者がより遠くへボールを飛ばすために、人工的に圧縮したバットを使用していた時期もありました。
グラブ(グローブ)
グラブは守備の際にボールを投げる手の反対の手にはめて使います。一塁手と捕手にはそれぞれ、ファーストミット、キャッチャーミットと呼ばれる専用のミットがありますが、これもグラブの一種にカテゴライズされます。大きさはどんな大きなグラブでも良いわけではなく、公認野球規則で定められたものを、それぞれのポジションで使用します。特に投手は球種を見破られないように、大き目のグラブをはめる場合が多いようです。
ヘルメット
打者(走者となった場合も)及び捕手はヘルメットと呼ばれる、危険防止用の帽子をかぶります。日本のプロ野球においては、かつてはヘルメットを被らないバッターも多くいましたが、1971年以降は
ヘルメット着用が義務付けられました。また、耳当て付きのヘルメットも、1996年より義務となりましたが、入団年度により自由に選択することが可能だったとのこと。
捕手用のヘルメットは当初通常のヘルメットを逆に被ることもありましたが、西武で活躍した中尾捕手のようにつばのないものを使う選手や、現在普及しているマスク一体型を使う選手など、各自の裁量に任されているそうです。ヘルメットの素材は多くの場合硬質プラスティックですが、衝撃吸収度合いなどの安全基準が別途定められています。
マスク、プロテクター、レガース
捕手は、ファウルチップなどでボールが当たった時の衝撃や負傷を防ぐために、マスク、プロテクター、レガース(レッグガード=足当て)の着用義務があります。また、打者がスイングした際にバットが頭に直撃することもあるため、ヘルメットも被ります。打者が自打球(打球が自分の体に当たること。)や死球(デッドボール=投手の投げたボールが打者の体に当たること。)の衝撃を和らげるためにレガースや肘当てを使うこともあります。
スパイクシューズ
野球用のスパイクシューズは、スタッド(靴裏の突起)の材質により2種類に分けられます。金属製のスタッドの付いたシューズは、主に芝や土のグラウンドで使用され、樹脂性のスタッドの付いたシューズは人工芝で多く使われます。(守備と攻撃で履き代える場合あり)靴本体の材質は本皮製・人工皮革製が多く、近年では驚くほど軽いスパイクシューズも登場しています。
帽子(野球帽)
主に野球の試合で被るつばのある帽子で、日本では野球帽といい、野球用途のためだけではなく、日常生活でも被ることの多いポピュラーな帽子です。帽子の前面には、野球チームのトレードマーク等が縫い付けられており、試合では守備側の野手とダッグアウトで待機している選手が被ります。
ユニフォーム
野球用のユニフォームは、他のスポーツと判別しやすい大変ユニークなものです。長袖或いは半そでのアンダーシャツの上に襟の無い半袖の(袖なしもあり注@)シャツに、ズボンはベルト付きで、足首まであるものを履きます。ズボンの下には長めのアンダーソックスを履き、その上からストッキングを重ねて履きます。このストッキングは前後に大きな穴が開いた大変特徴的な形状をしていますが、足首が動きやすいように工夫されて現在の形になったようです。ただし、公認野球規則ではソックスの二重履きは義務付けられているものの、穴の有る無しは規定されていないようです。
カラーなどについては、それぞれのチームの裁量に任されていますが、同一チームは同一のユニフォームを着用すべしと規定されています。MLB(メジャーリーグ)や日本のプロ野球でもそうですが、ホームゲームとビジターゲームでは、ユニフォームの色や形を代えることが通常とされています。
注@メジャーリーグのピッツバーグ・パイレーツのユニフォームは袖なしの時代がありました。このチームは妙な形の帽子を被ったりと、ユニークなファッションセンスで知られています。
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