野球基礎講座|基本ルールA

■投手・打者・捕手・走者の基本的なルールを解説します。

投手のルール

投手にはやって良いこと悪いことが様々に規定されています。これを知らないと投手不利な状況に追い込まれる事になります。きちんとルールを把握しましょう。

 

投球フォーム

アンダースロー

投球フォームは千差万別です。現ヤンキースの田中将大投手のような真上から腕を振り下ろすような投げ方(オーバースロー)、かつての読売ジャイアンツのエース、斉藤雅樹投手のようにボールをリリースする際に地面と平行になるような投げ方(サイドスロー)、阪急ブレーブスの黄金時代を支えた山田久志投手のような、下からボールを投げ上げるような投げ方(アンダースロー)、そして、オーバースローとサイドスローの中間くらいの位置から腕を振り下ろす投げ方(スリークォーター)等。ルールに抵触しない限り、いろんな投げ方の投手がいても別に構いません。よくユニークな投球フォームで引き合いに出される、読売ジャイアンツやメジャーのレッドソックス等で活躍した岡島投手のように、投げる寸前にあさっての方角を向いて投げても良いのです。

 

投球動作

投球動作は基本的に、ワインドアップとセットポジションがあります。

 

ワインドアップ

インプレー中に投手が打者に対して投げる際には、マウンドに横向けに埋め込まれた投手版(ピッチャーズプレート)に軸足を置いて(触れて)投げなければなりません。その際軸足と反対の足を投手版の後方に置いて投球動作を始めることが多いのがワインドアップ投法です。よく、ワインドアップというと、400勝投手の金田正一投手のように、両腕を大きく振り上げる動作を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、むしろ両腕を振り上げる振り上げないよりも、足の位置が重要なポイントになるのです。
※現行の公認野球規則では、ワインドアップの場合、軸足の反対の足はどこにおいても良いとされています。

 

セットポジション

投手セットポジション

ワインドアップ投法が、軸足と反対の足の位置に制限が無いのに対して、セットポジションは、軸足の反対の足を投手板の前に置いてから投げます。その際、ボールを両手で(ボールを持った手をグラブの中に入れる)体の前に持ち、完全に静止した状態を取ります。ルール上走者がいない場合では完全に静止しなくても良いことになっていますが、日本国内ではアマ、プロを問わず、完全に静止することを求められています。一旦セットポジションをとった後、それを解除したい場合は、投手板に置いた軸足を投手板の後方にはずします。この姿勢から再度セットポジションを取る場合は、必ず両手を離して体の両側に下ろしてから軸足を投手板に戻す必要があります。

 

ボーク

ボークとは投手の反則行為のひとつで、下記のようなケースが多いようです。
@セットポジションをとった際に完全に静止しなかった。
セットポジションは両手を体の前に置き、完全に静止する必要があるため、これを怠るとボークを宣告されます。
A投球動作を途中で止めてしまった。
セットポジションをとった後に、軸足をはずすことなくセットポジションを解除して、投球を止めてしまった場合や、セットポジションをとろうとして、止めた場合などがボークになります。
B軸足を投手板に置いて偽投した場合
走者を一塁三塁に置いたケースに、一塁に偽投(投げる素振りをして実際には投げないこと)して、振り返って三塁に牽制球を投げることがありますが、この場合は軸足を投手板からはずさなくてはなりません。ただし、二塁と三塁に偽投する場合はその限りではありません。
C投球動作が二段モーションになる。
投手は一旦投球動作に入れば、それを完了させなくてはなりません。二段モーションは軸足の反対の足を振り上げたあと、一瞬静止した状態から再びモーションを起こすことになりますので、ボークと判断されます。

 

牽制球

走者が塁にいる場合に盗塁を防ぐために該当する塁にボールを投げることを牽制球と呼びます。その際、塁を離れていた走者の帰塁するタイミングより、牽制球を受け取った野手のタッチが早い場合には、走者はアウト(牽制死)となります。ただし、この牽制を行う場合には、上述したボークを犯さないよう注意が必要となります。

 

15秒ルール

投手

投手は走者がいない場合には、捕手からの返球後、15秒以内に打者へボールを投げなければなりません。これを怠ると審判により試合の遅延行為があったとみなされワンボールの追加が宣告されます。

 

危険球

通常、投手の投げたボールが打者の体に当たれば、死球(デッドボール)となり、打者にひとつの塁が与えられますが、頭部に直接ボールが当たった場合や、それに類する選手生命を危うくするようなボールを投げた投手には、審判により退場もしくは警告が与えられます。日本のプロ野球では、このような事例があった場合には、故意か偶然かに関わらず、審判の判断により“危険球”が宣告され、投手は一発退場となります。

 

捕手のルール

 

打撃妨害

捕手は打者がバットスイングする軌道をミットなどで妨害すると、打撃妨害を取られ、打者にひとつの塁が与えられます。また、打撃妨害があった場合でも、打者が安打を打った場合には打撃妨害は記録されず、そのまま試合が続行されます。

 

クロスプレー

走者が本塁に突入するような場合には、捕手は体や足で本塁をブロックすることが求められます。しかしながら、このブロックが正当なブロック行為か走塁妨害にあたるかは審判により高度な判断が必要となります。公認野球規則では、捕手がボールを保持している場合、ならびに、送球をまさに取ろうとしている場合などでは、走塁妨害とはならないと規定されています。

 

打者のルール

打者はバッティングの際に、バッターボックスより外に出て打った場合にはアウトが宣告されます。これは片足でもダメとありますので、特に左打ちの選手は、走りながら打つ場合もあり注意が必要です。

 

打者は投手が投球動作に入った場合には、無用にタイムをかけることは禁止されています。また、同様の場合で左右のバッターボックスを移動することも禁止されています。(そんな打者はいないでしょうが。)

 

走者のルール

グラウンド

走者は、一塁→二塁→三塁→本塁の順番で走らなければなりません。また、前の走者を追い越した場合には追い越した走者がアウトとなります。
打者がボールを打ち走者となった場合には、一塁ベースに向かう際には白線の外側を走らなくてはなりません。
※本塁→一塁の中間点から一塁までにはスリーフットラインが引いてあります。
走者が塁間を走る場合には、その線上(一塁から三塁までは仮想線上)から、3フィート外れて走るとアウトとなります。
走者はフェアゾーンにおいて、守備側の選手より先に打球に当たった場合にはアウトとなります。
無死か一死の場合で、打者がフライを打ち上げた際に、塁上の走者はタッチアップ(注@)して、次の塁に進むことが出来ます。ただし、野手がフライを捕球するより走者が早く塁を離れたときには、守備側のアピールがあった場合のみ、審判によりアウトが宣告されます。
注@守備側の選手がフライを捕球する際に、走者が帰塁して次の塁を狙うこと。

 

 

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